カペタ 7
「昴」の曽田正人氏のカート漫画第七巻。
「勝つために、予選をリタイアする」
一見、やる気がないように見えるこの行動にドラマ的な説得力を見せられるというのは凄いことだ。勝つためのアドバンテージを冷静に計算することの出来る、出来ないは勝負の分かれ目なのだ。
かつて、真面目に、TCG「マジック:ザ・ギャザリング」のトーナメントを追いかけていた頃、PT経験者のID(意図的なドロー)やドロップ(トーナメントからの脱落)を理解できなかった時期があった。ポイントを下げないために、負ける可能性を秘めた対戦相手との戦いを五分に持ち込むID、ランキングを下げないために、勝てないトーナメントから早めに離脱するドロップ。仕組みはやがて分かったが、感情はなかなか納得できなかった。私はゲームを楽しみたかったが、プロツアーや世界選手権につながる高レベル・トーナメントは、目の前の楽しみだけに捕らわれてはならない世界である。グレイヴィトレインに載るためには計算高さも重要なのである。
そして、話はカペタに戻る。
「勝つために、予選をリタイアする」
これが描ける曽田氏はさすがである。
- 作者: 曽田正人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/17
- メディア: コミック
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