溺れる強化人間、暴走告白のシン

今週の感想。えー、怒涛の昼メロ・ガンダム 種デス第5話。
冒頭から、10年前の萌えハーレム漫画みたいなシチュエーション連発。
「起きたら、隣に半裸の美少女が・・・」
「あわててベッドから逃げ出したら、そこに、ちょっと好感を持ち始めた可愛い部下の少女が朝食のお誘いにやってきて、半裸の美少女が対応。部下はぶんむくれ」
「ついでに、朝食にはキザで偉そうな金髪のライバルが登場」
(歌まで歌えるらしいそいつには、最初から死にフラッグが標準装備)
 一方、メイン主人公は、バイクでツーリング中、がけっぷちで躍った挙句に海に落ちて溺れかけている天然少女を救出、色々やばそうな少女をなだめるために、海岸の洞窟で勢い余り、「君は僕が守る」宣言を。
 いいか、シン。君はその少女に出会って半日経ってないぞ。
 
 もはや呆れるしかないシナリオ。
 あと、ステラを目撃した直後に入る回想カットは明らかにそれじゃないだろ? 第一話のラッキー・スケベの場面じゃないの? なんというか、中学生でも突っ込める演出のズレは脚本と監督の暴走だよねえ。
 ああ、今週もガンダムは動かなかった。

 あ、これで終わらせてはいけない。
 今回の問題点を二つ。
 その一、ステラはおばかさん。
 歴代ガンダムニュータイプ、強化人間系ヒロインの中での今回のステラの天然ボケぶりは行きすぎ。ガイアを自由に操れる強化人間が、位置関係も把握できずに崖から落ちるのでは生体兵器としては問題ではないでしょうか? あれ、シンがいなかったら、明らかに死んでましたよね。彼女のボケぶりはネオもよくしっているのに、相棒たちさえついていない。監視の兵や護衛もいない。それは幼稚園児を波の荒い浜辺に放置するぐらい、殺人に近いですよ。シナリオはちょっとでいいから、ものを考えろ。
 
 その二、共振さえない、只の偶然の出会い。
 もっとも問題なのは、ステラとシンの出会いが神のような偶然でしかないこと。
 シンは種割れしますが、ニュータイプのような感応能力は一切ありません。困ったことに強化人間たちも生体コンピュータ部品に過ぎず、拡大された感知力やテレパシーを持ちません。
 その結果、シンとステラの間には何の共感関係もない。つまり、カミーユ&ロザミィのような必然性の欠片もないんですよね。
 二人が出会うのは完全に偶然。それも奇蹟のような偶然なのですよ。
 えー、つまり、この出会いはテーマが無理矢理、作り出したppm級のご都合主義なのです。なんというか、学校に遅刻しそうになって走っていったら、パンを加えた転校生の美少女と激突してしまうぐらいに。
 いや、サンライズも落ちたものだ。これでどこへ行こうとしているのだろう?