上海のクリスマス

もひとつ上海退魔行ネタをメモ。
クリスマスというのは、本来、冬至祭(つまり新年祭)だった訳で、
キリストの誕生日とは全然関係ありません。
だいたい、キリストがいつ生まれたかについてはいくつも説があり、
東方教会ではながらく1月3日あたりとされていたそうです。
これまた新年祭ですね。
教会がクリスマスを正式な祝日に決めたのはかなり後期になってからです。
とはいえ、19世紀後半にはすでに欧米ではれっきとしたイベントになっており、
おりしも商業主義まっさかりで、広告の概念も出てきた時代なので
クリスマスもやりますよ。
サンタクロースの服が赤くなったのは、確か、コカコーラのせいと言われております。
あれは北欧の聖人、聖ニクラウスがもと。

上海的には、クリスマス・ミサでしょうね。
上海には多くの教会がありますから、クリスマス・ミサを行うのですが
同時に、大世界で大騒ぎするパーティも開かれます。
確か、救世軍がすでに誕生してますので、クリスマスの炊き出しとか
救貧活動も色々行われている訳です。
ちなみに、上海はかなり暖かいのですが、やはり雪が降ります。
ホワイト・クリスマスというのもあり、です。

しかし、上海退魔行は架空歴史浪漫です。(意味なく胸を張る)

ヴィクトリアさまが、色々情報操作を行い、セント・ニクラウス伝説を赤い服の老人に書き換え、プレゼントを贈りあうと、大衆をたきつける。
お嬢様としては商売第一でしょうが、その反面、誰からかプレゼントも欲しい訳で
アンビバレンツな気分を盛り上げるべく、色々な人が暴れる。
いや、アルカードさまもキリスト教徒だから、きっと何か欲しいに違いない。*1

という訳で、聖夜に色々な作戦が。

沖田総司ホワイト・クリスマスの意味を教えるヴィクトリアさまとか
聖夜の夜、上海大聖堂の前で、静かに降り注ぐ雪を見上げている新撰組隊士とか
聖夜の夜空を静かに上昇していく独逸帝国の飛行船とか、
静かにクリスマスを祝う伯爵とか、
色々妄想してみる。

*1:彼は本来、東方教会信徒でしたが、親父の時代にローマ・カソリックに改宗しています