最終回の再放送:火の七日間

 「火の七日間」という言葉がある。もとは「風の谷のナウシカ」に出てくる世界設定で世界が滅びた事件のことであるが、かつて、MTGプロプレイヤー真木孝一郎氏の回想録で「ハマった」時の思い出を表現するために使われた。そう、何かにハマってしまったとき、それに心を独占される「火のごとき7日間」がある。かつて、私もそれを体験した。初めてSFに出会った時、初めて「スターウォーズ」を劇場で見た時、初めてRPGのマスターを行った時、初めてカードに触れた頃……
 三谷幸喜という人とは縁がなかった。小劇場もHRも見なかった。喜劇系の脚本家らしいとしか知らなかった。
 それが、「上海退魔行 〜新撰組異聞〜」で熟成された幕末=ヴィクトリアン・エイジへの興味を引き継ぐ形で、久しぶりに見始めた大河ドラマを最後まで見つめることになってしまった。
 最終回の少し前からBlogを始めたこともあってか、僕の中の「新選組!」はずいぶん大きなものになった。
 最終回をビデオで見てから、その熱が再燃した。
 Blogを巡った。妙に気になった。
 これがネットという鏡の相乗作用なのだと、心の中でドライに理解しつつも、なにやらもやもやしたものが終わらない。ビデオもあるのに、律儀に再放送を待つ自分に、「炎の七日間」という言葉を思い出した。
 結局、土曜日の再放送を見てしまった。
 「近藤勇、よく戦いました!」の叫びに思わず落涙。
 ありがとう。

 【付記】中村獅童捨助はあまり好きなキャラクターではなかったのですが、
最後の突入の部分はさすが歌舞伎役者。なんというか決まってます。
今までのふにゃふにゃな演技が嘘のようなきりりとした顔に、
津山37人殺しみたいなノリが鬼気迫る感じに。